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ペット業界の表と裏:ブリーダーの仕事って?

by Tsukasa Narita on 2011年10月12日

 

 
我が家には三頭の犬が同居しています。ひょんなことから育てる羽目になった長女。今の家族は彼女から始まりました・・我が家のボスです。良い縁に恵まれなかった長男。

これ以上ないってくらいの三枚目・典型的なKYです。ショップで虐待されていて引き上げた次男。引き取り当初、トラウマで人間を受け付けてくれませんでした。

今でもビビリではありますが、状況を判断して上手く甘えてくれます。

個性も事情もバラバラ、楽しい家族です。実は全て、仲間のブリーダーで繁殖された親戚一同です。
我が家では育て方が雑ですので、とてもそうは見えませんが実は彼ら、とてもとてもよい家柄の子達です。

で、ウチ(その子達が元々が暮らしてた場所)のブリーダーは少し変わり者で頑固です。

・良い犬を作り維持するため、自分で管理できる数以上の数は扱わない。
・繁殖犬は世界中の仲間から借りてくる。
・自分で作り出した犬以外はショ-に出さないしハンドリングも自分でする。

何処が変わっているのでしょう、わかりますか?

 

ブリーダーという職業のお話

ブリーダーの収入源は何でしょう。一番わかりやすいのが子犬の販売代金。親達の維持費や管理費(食事代・場所代・病院代など)を考えると、高価なのも頷けます。

真面目にやるほど経費はかかりますし年中無休です。しかも都合よく需要があるか、売れる時期に生まれるかなどリスクもあります。子供は時間がたつにつれ成長しますし、経費もかかりますから。

次に交配料。良い雄犬を持っていると、子供を産ませたい飼い主がお客様になります。よほどの血統を持っていないと定期的な収入にはなり難いです。

後は親犬の販売代金。ドッグショーなどに出陳し、チャンピオンを完成させると商品として価値が上がります。チャンピオンを完成させるためには多くの金額とコツが必要ですので素人ではかなり難しいというか現実的に無理です。そのような仕組みになっています。

成功すると数百万から数千万という金額が動く場合があり、海外では投資の対象にもなっています。

その他は、ブリ―デイングとは少し違いますが、本を書いたり、何とか協会の役員になったり、愛犬クラブなど作って会員を集めたり。物販や利権を取っての収入になりますので実績や能力が必要ですが、取ってしまうと楽に稼げます。

ここまで来た方は、未成熟な国内の業界内で、ある意味政治家的な権威を持ったかのように錯覚され、犬の健全性や愛護精神といった根本が希薄になってしまう。そういった人間になり下がってしまう・・そう感じる出来事もたくさんあります。

 

良いブリーダー、悪いブリーダー

多くのブリーダーはその得意とする犬種に愛情を持ち、健全性を目指し、経費も掛け、命あるものとして扱っている事は事実です。親犬の販売以下は、よほど本格的にこの業界での活動と精神力が必要な為簡単な事ではありません。

さて、悪徳やパピーミルと呼ばれるブリーダー(以下繁殖屋と記載)の収入源はというと。子犬の販売代金がメインとなります。経費を極力抑えて利益を出す事が目的です。その根本にある考え方はこんな感じです。

・「生かしておくと利益(子供=商品)を生む」
・「手がかかる前の時期に売ってしまえば利益が大きい」
・「相手は文句を言わないし自分より弱い」
・「短期間で現金を手に入れる事が出来る」
・「使い捨てしても法に触れる事が無い、または刑罰が軽い」

ですので、

・場所代を削減する:狭い場所でケージでの多頭飼育、遊ばせる・運動させる場所は無し。
・食事代を削減する:安いドライフードや肉屋などの廃材を死なない程度に与える。
・管理代を削減する:病気予防や治療は一切なし。使えなくなったら処分。
・人権費を削減する:交配や出産時だけ世話をする。掃除などは出来る時にだけ。

こんな環境での管理になってしまいます。これを徹底すると、確かに効率的に・合法的に商品を作る事は出来ます。ブリーダーとの大きな違いは、扱う商品から命の概念を完全に取りはらっている所です。生きているか死んでいるか、それしか関心が無いように感じてしまいます。

 
利益を上げる為、後は商品を効率よく流通させ販売する方法があれば収入は約束されます。そこで考えだされたのが「生体市場(ペットオークション)」と生体のみ大量販売するペットショップ。追随したのがイベント会場などでの移動販売とネットオークションです。



成田 司

業界にどっぷりと漬かって十云年。動物が好き、命は大切という人間が素直に働けない職場。未だに物扱いの生き物達。命の尊厳を無視した流通・販売企業。

気軽に命を弄ぶ知識の無い消費者達。 未だにこれが常識のこの国において。誰かが声を上げて・同じ思いを持った同士を集め・話し合い・創り上げ・実行する。象徴としての施設、日本版ティアハイムの目指すものは”当たり前の世界”です。

正しい知識を持つ、命を命として扱う、できる事をしてあげる、楽しく活動する。そして、共有した幸せな時間を過ごす事、すべてが当たり前でありたいと考えます。私は神様でも聖者でもありません。もっと優れた沢山の人達の力をお借りし 少しでも業界を、ひいてはこの国の風潮を変えて行きたいと考えます。

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