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ペットショップは本当にいけないのでしょうか?1

by ころく on 2011年11月7日

ペットの問題、とくに殺処分の問題に対する意見として

「ペットショップをなくそう!」
「ペットショップがなくなればいい」
「ペットショップってたくさん必要なの?」

という意見をよく目にします。本当にペットショップが悪いのでしょうか? ブログ最初のテーマとして「ペットショップは本当にいけないのか?」という疑問を、流通面や産業区分の面など、さまざまな角度から数回にわたって見ていこうと思います。

 

「ペットショップってなんだろう?

以前、somodeで行われた座談会イベントで「殺処分を無くしたい」という話題が出ました。その中で、次のような意見が出ていました。

犬達が過剰に増えてしまったら保健所に連れていかれて殺されてしまうのではないか?
売れ残ったら保健所に連れていかれてしまうのでは?

増えすぎを防ぐ事が殺処分を減らす事になるのではないか?
そもそも、ペットショップはどれくらいあるのだろう?

このような意見をふまえ、まずは、ペットショップが必要かを考える前に現状がどうなのか、ペットショップって何?から説明していこうと思います。

ペットショップとは??

ペットショップというと、何を思い浮かべますか?ペットを販売しているお店?ペットフードやペット用品を販売しているお店?このように考えると、ペットの美容院はペットショップに入るの?と思うかもしれません。

日本標準産業分類の定義をみると、ペットショップは「ペット・ペット用品小売業」:「主として犬,猫,小鳥,熱帯魚などのペット及びペットフード,ペット用品を小売する事業所をいう」とされています。

ペットサロンは、日本標準産業分類では「他に分類されないその他の生活関連サービス業」に分類されます。「主として他に分類されない個人サービスを行う事務所をいう」と定義されており、その中のペット美容室と同じです。

そのため、ペットサロンはペットショップとは異なるものとして位置づけられていることが分かります。

産業分類図
出所)総務省政策統括官(統計基準担当)編(2007)
『日本標準産業分類(平成19年11月改定)』をもとに作成.

 
その他、ホームセンターでもペットを販売しているところやペット関連商品を置いているお店があります。

これらはペットコーナーと呼ばれることが多いですが、ペットコーナーでも、専門のペットショップがテナントとしてホームセンターに入居する場合と、ホームセンターがペット関連商品を売っている場合もあります。このように中身をみてみると違う部分はありますが、ペットコーナーもペットショップだという人も多いかと思います。

一方、ペットはどこで販売しているのか?という観点から見ることもできます。これは業態という観点から見た分類方法ですが、ホームセンター、専門店、百貨店、ショッピングセンター等、現在では様々な場所でペットを購入することができます。インターネットでの販売もこの一つの形態です。

 
以上のことから、ペットショップとはそのお店が何を提供するかによっていくつかに分類でき、狭い意味では「生体を売るお店」ですが、実際には、ペットに関連する商品やサービスを提供する小売店をすべて含めてペットショップと呼んでいると考えられます。

おそらく、「ペットショップをなくそう!」という意見の背景には、“生体販売をなくしたい”という意味合いで使われているのだろうと推測できますが、どこを指して「ペットショップ」と呼ぶのか、主張をする際、明確にしていると説得力が増します。

また、アヤフヤなままだと誤解を招いた反発が出てくる可能性もあります。 ペットショップの役割というものも考えていく必要もあるでしょう。 上手く使い分けたり、考えていく事が人と犬の共生の一歩になるのではないでしょうか。

次回の記事では、「ペットショップはいくつあるの?」という問いを考えていきます。

 
【注】
日本産業分類とは、「統計調査の結果を産業別に表示する場合の統計基準として,事業所において社会的な分業として行われる財及びサービスの生産又は提供に係るすべての経済活動を分類するものであり,統計の正確性と客観性を保持し,統計の相互比較性と利用の向上を図ることを目的として,昭和24年10月に設定されたものである」(統計局ホームページより)。平成19年11月に第12回目の改定が行われている。

【参考文献】
・福岡今日一 (2007) 『知っておきたい ペットビジネスの法と政策』 緑書房.
・金融財政事情研究会編 (2008) 『第11次業種別審査事典(第6巻「不動産・住宅関連・ペット・飲食店分野」)』 , 「6ペット・動物関連」社団法人金融財政事情研究会.
・総務省政策統括官(統計基準担当)編 (2007) 『日本標準産業分類(平成19年11月改定)』 財団法人全国統計協会連合会.
・統計局ホームページ,特に「日本標準産業分類の変遷と第12回改定の概要」 (http://www.stat.go.jp/index/seido/sangyo/19-1.htm)



ころく

これまでペット産業に関する研究を行い、多くの論文を発表してきた。特にペット産業の中でも生体(犬)の流通・販売システム、犬の譲渡活動に関心を寄せ、実証的な研究を進めている。

小学校の時に段ボールに捨てられていたワンちゃんを拾ったこと、高校生の時に前の飼い主さんが引っ越しで飼いきれなくなったワンちゃんを引き取ったことが今の研究の原点。将来は大きい家で沢山のワンちゃんと幸せな生活ができる事を夢見ている。

時々、Clubにも顔を出しマリブパインを飲みながらフロアの音を楽しんでいる。