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ペット業界の表と裏 生体市場(ペットオークション)のお話

by Tsukasa Narita on 2011年11月9日

生体市場(ペットオークション)のお話。

普通に生活していると全く馴染みのない施設です。

市場ですので、例えば築地市場のように生産者が商品を持ち込み仲買人や小売り業の方達がセリをかけて商品を購入する、そんな役割を持った施設です。”生体”は、ペット業界で”生きている商品”を意味します。

生体市場の商品とは、ペットショップで販売する生きもの達が対象です。場所と施設によって扱う品目は違いますが、犬・猫・鳥・爬虫類・観賞魚などの流通拠点として繁盛しています。

 

ブリーダーの変化

犬の例でお話しを進めていきます。この施設が無かった時代、ショップで犬を販売するためには自分のところで生まれた子供や日本中走り回って希望犬種のブリーダーから仕入れする事が主流でした。とにかく労力と時間をかけての仕入れです。ブリーダー同士の情報交換も重要でした。

作る側も産まれても簡単には販売出来なかったため、今ほどたくさんの繁殖はしていませんでした。売る側も、買い手の希望犬種が何時でも都合よく産まれているわけではないので、販売数も今ほど多くはありませんでしたし、値段も高価でした。

余裕のある買い物ですから、それでも商売として成り立っていました。今のように購入してスグに死んでしまったので訴訟や、赤ん坊でなくては買わないなどそんな、ちまちました商売では無かったようです。

 

クレジットカードの普及

ペットとしての犬の需要が拡大した要因の一つに、クレジットカードの普及があります。それまではお金持ちの道楽・ステイタスだった純血種の犬が、気軽に購入・販売出来る用になりました。若いカップルや独身者、子供が欲しがる中流家庭などがターゲットになりました。

見た目で衝動買い・CMや映画などメディアで流行を作るなど 手に届く流行り物としての商売が活発になりました。そうなると全国的に子犬の需要が高まり、商品の効率的な流通が求められるようになります。
 
探して歩くのではなく一か所に集めて、市場原理を活用しての入札方式。売りたい側は出荷した分だけ確実にお金に変える事が出来、売れ筋商品を多く作るとさらに利益につながる。
買いたい側は捜し歩くコストと労力が軽減され、欲しい商品を欲しい数だけ手軽に仕入れできる。これが生体市場のスタートです。
 
ある業界を活発にするためには非常に有意義な改革だと思います。どの業界にも存在する流通革命、これがあって初めて大量生産・大量消費に対する全体流通が行われ、安くて便利、消費者に優しく企業側も大きな利益を上げられる市場が出来上がるわけですから。

ただ一点、この商品には”命”があり”生きて購入者との時間を共有する”という事が他の業界とは違う所なのですが。

 

命の移動

日柄も行かない子犬達が一頭ずつ小さな段ボールに入れて運び込まれ、時間まで密閉(空気穴のみ空いている)されて保管、時間になったら順番に会場に運び込まれ(コンベアに並んで流れてきます)、ようやくふたが空いたと思うと、知らない人間に引っ張り出されてひっくり返されたり手足を引っ張られたりしながら品定めをされ、値段をつけられてセリにかけられます。

自分の順番が終わるとまた箱に閉じこめられて時間を待ちます。セリが終わると、新しい場所へ運ばれて、お店の商品としての時間が始まります。

命に対して常識的な愛情を持ち、その個体にプライドを持って繁殖するブリーダーや、動物の福祉を真面目考えているペットショップなどがこの施設を利用すると考えるでしょうか??



成田 司

業界にどっぷりと漬かって十云年。動物が好き、命は大切という人間が素直に働けない職場。未だに物扱いの生き物達。命の尊厳を無視した流通・販売企業。

気軽に命を弄ぶ知識の無い消費者達。 未だにこれが常識のこの国において。誰かが声を上げて・同じ思いを持った同士を集め・話し合い・創り上げ・実行する。象徴としての施設、日本版ティアハイムの目指すものは”当たり前の世界”です。

正しい知識を持つ、命を命として扱う、できる事をしてあげる、楽しく活動する。そして、共有した幸せな時間を過ごす事、すべてが当たり前でありたいと考えます。私は神様でも聖者でもありません。もっと優れた沢山の人達の力をお借りし 少しでも業界を、ひいてはこの国の風潮を変えて行きたいと考えます。

Giraf Project