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日本人がアメリカで、ボランティアをしてみた。

by Saki Anderson on 2011年11月16日

始めまして!Saki Andersonと申します。アメリカのアリゾナ州、州都、フェニックスに住んでいます。そして、ここ、フェニックスのアニマルシェルターでボランティアをしています。こちらでのボランティアの様子、シェルターのシステム等を紹介させて頂こうと思います!

 

Kill ShelterとNo-Kill Shelter

まず、大きく分けて、アメリカには二種類のシェルターが存在します。一つ は「Kill Shelter」そして、もう一つは「No-Kill Shelter」です。「Kill」の方は、主にカウンティー(群)が保持するシェルターで、動物の数が飽和状態に達したら、安楽死にします。動物の数が多い時は、72時間以内に引き取り手(これは後程説明しますが、No-Kill Shelterを含む)が現れない時には、安楽死になってしまいます。

野良猫、野良犬、飼い主が放棄した猫、小動物等は、まず、全てこちらへ持ち込むことが州の法律で定められています。ただ、飼い犬は、一部のNo-Kill Shelterで、受け入れを行っているところもあります。
 
さて、一方の「No-Kill Shelter」では、Kill-Shelterに放棄されたペットを引き取り、Adoption(譲渡)を行います。そして、名前の通り、一旦ここに保護された動物達は、病気や、Adoptionに不向き(ペットとして受け入れ不可)等の理由で安楽死させられることを除き、引き取り手が見つかるまで、保護されることになります。

因みに・・私が働き始めてからの最長記録は約2年です。(!!)

私がボランティアをしているのは、Arizona Animal Welfare League & SPCA (以下AAWL)というNo-Kill shelterで、アリゾナで一番古いシェルターです。このシェルターでは、犬と猫のみのAdoptionを行っています。

 

日本人がアメリカで、ボランティアをしてみた。

当時、シェルターでスタッフをしていた友達の保護猫。私もミルクをあげるのを手伝いました。今は、友達に引き取られて、幸せにしています。

私は猫舎(Cattery)担当で、猫のソーシャライズ(一緒に遊んだりして、人慣れさせる)、爪切り、ブラッシング、掃除等、そして、猫の譲渡希望の人に猫の紹介をしたり、質問に答えたりすることを主な仕事としています。また、ウェブサイト用の、猫のプロモーションビデオを作製しています。

ちょっと自慢っぽくなりますが、(笑)実は2年間シェルターに居座った、牢名主猫、「Jujubee」は、私のビデオを気に入ってくれたカップルが見学に来て、譲渡に至ったという、素晴らしい経緯があります!(自分で言うなって?)

 

素人仕事でも、結構役に立つものです!

アダプションカウンセラー、ジェナの「ターキータイム」Wyatt(トラ猫、手前)を筆頭に、この瞬間に命を掛けている猫が多数。(笑)

猫舎には、4つの部屋があり、子猫部屋、シャイ猫の部屋、若い猫の部屋(私は「ティーンエイジャーの部屋」と呼んでいます)そして、3歳以上の大人部屋に分かれています。基本的にはケージフリーですが、新入りさんで、環境に慣れない猫や、食物アレルギーのある猫、餌を食べない猫等は、一時ケージに入れて、状況改善を図ります。

シェルターには、獣医、獣医アシスタントが常勤していて、病気になった動物は、シェルター内のクリニックで治療されます。また、全ての動物は、シェルターが保護した段階で虚勢手術を受け、ワクチンを摂取、譲渡前にマイクロチップが入れられます。
 
譲渡費用は成猫で$50.00、仔猫は$75.00。この費用にはワクチン、虚勢手術、マイクロチップそして、今までにかかった餌代、医療費等、全てが含まれています。

譲渡の際には餌一袋、おもちゃ付きになりますので、ペットショップでペットを購入するよりも、断然お得です!そして、うちのシェルターの素晴らしいところは、100頭ほどいようかという猫の名前、性格を、スタッフ、ボランティアがきちんと把握していて、譲渡希望者の質問にも即答出来るところです。ですので、大抵は希望に沿った猫を探して、紹介することが出来ます。
 
・・何故、「大抵は」と書いたかと言うと、残念ながら、中には猫が返されて来てしまう例もあるからです・・因みに、返されてくるNo1の理由は、「トイレの粗相」。そして、続いて、「先住猫と仲良く出来なかった」。一番「???」な理由としては、「猫の毛があんなに抜けるとは、思っても見なかった」・・・一旦引き取った猫を返すのに、理由がなくては気まずいので・・・と言ったところでしょうか。

 

去勢手術の大切さ

気を取り直して、虚勢手術の話をしましょう。AAWLでは、一般にクリニックは公開していませんが、クリニックを一般公開し、虚勢手術を安く提供しているところもあります。また、Arizona Humane Societyでは、移動クリニックで、近所に安く虚勢手術を提供するところがないところもカバーし、安価で手術を提供しています。

そして、全米各地に、虚勢手術のみを行うクリニックも沢山あります。これは、安楽死が行われる原因が、動物の数の増加にあり、その数をコントロールすることにより、安楽死の数を減少させることが出来るという考えに基づいたものです。
 
安楽死を行っている施設に異議を申し立て、それを阻止したとしても、外では動物の数が増え続けています。その増えた動物を、安楽死中止と共に全て面倒を見れるか?・・現実的に考えても不可能ですよね。

目に見える傷口にバンドエイドを貼るだけでは、完治はしません。バンドエイドはあくまでも、「その場しのぎ」であって、永久的な解決策ではありません。根本にある傷口を見定め、治療しなければ、完治は有り得ないのです。
 
虚勢は、殺される為に生まれてくる命を救い且つ、既存の命も救います。日本にも、虚勢手術を安価で提供出来るシェルターが存在すると、虚勢手術に対する知識も広がり、多くの命が救われることになると思います。



Saki Anderson

猫派アメリカ人の主人と、黒猫Tahitiとアメリカ合衆国、アリゾナ州、フェニックス在住。フォスター主体のレスキューグループ、All About Animals Rescueにて運営スタッフ、フォスターボランティアとして活動。家には常時、預かり猫がいる状態。リングワーム治療を極めつつある。

本職は別にあるのだが、最近レスキューとどっちが本職だかわからなくなってきた。
Arizona Diamondbacks、Phoenix Suns ファン。