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世界一売れているDJ、Paul Oakenfoldとバンガン島の関係性

by 一梨乃みなぎ on 2011年11月30日

記事4.「アジアの純真」

 どうもこんにちは、一梨乃みなぎです。

 世界一売れているDJとは?? と言う話になった時Paul Oakenfoldを挙げる人も居るかも知れません。

 実際にそれでギネスブックに乗ったこともあったくらいですから、実際に一時代を風靡した知っておくべきDJの一人と言えるかもしれません。

 今日はそんな彼の話題……というのも今年、Oakenfoldの楽曲として非常に興味深いリリースがあったのです。

Paul Oakenfold / Full Moon Party
 
 先日、PerfectoFluoloレーベルからリリースされたこのFull Moon Party。

 ここしばらくの間、Oakenfoldは4つ打ち系のトラックから離れてエレクトロやブレイクス系など、かつてのユニットGrace時代とは異なる方向へ歩んでいたのですが、ここ最近になって再び自身のレーベル「Perfecto」をリスタートさせ、再びトランスシーンへと舞い戻って来ました。

 この楽曲のタイトル「Full Moon Party」というのは、アジアのバレアリックの本場、タイのバンガン島で行われているビーチパーティのことです。

 なぜ彼がこのビーチパーティをタイトルにしたのか……遡ること15年ほど前、ちょうどバンガン島のフルムーンパーティでは毎晩のようにOakenfoldの楽曲がパワープレイされていました。

Gary Clail & On-U Soundsystem / Who Pays The Piper (Trance mix)
・この曲は92年ということで、まだトランスの黎明期、ごく初期の頃のリリースです。
 トランスとは言え、サイケデリック系ではなく、バレアリックテイストが強いチューンです。
 

Perfecto Allstarz / Reach Up (Papa’s Got A Brand New Pig Bag) (Indian Summer Remix)
・こちらはWho Pays The Piperよりも少し後、Oakenfoldがバレアリック寄りから、サイケデリック(ゴア)系のトランスへシフトしていった頃の名曲です。
 
 バンガン島はタイ(アジア)ということで、同じバレアリック系のビーチパーティのイビザ島よりも、トランスと言えばアジアの移民文化から成したサイケデリック・ゴア系の影響を強く受けている部分があったようです。

 Oakenfoldは90年代半ば、トランス寄りにシフトしていくと同時に、自身のレーベルにサイケ・ゴア系専用のレーベルを立ち上げました、そのレーベルこそが「Perfecto Fluolo」です。

 レーベル名の「Fluolo」とは「蛍光色」の意……まさに「サイケデリック」を表すソリッドなネーミングです。

 その頃、同じバンガン島でOakenfoldと並んでパワープレイされていたアーティストと言えばMan With No Name。

 彼のヒット曲「Floor Essence」も、一度”Perfecto”でリリースされた後”Perfecto Fluolo”から再リリースされました。

Man With No Name / Floor Essence

 このFloor Essenceも今年「Perfecto Fluolo」から2011バージョンがリリースされました。
 また、他にMan With No Nameがこのころヒットさせた楽曲と言えば……

Art of Trance / Octopus (Man With No Name Remix)
・UKのアーティスト「Art of Trance」はこの初期リリースの後も、ずいぶん長いことユーロテイストの音使いではなく、サイケデリック・ゴア系の流れをくむ音使いをリリースしていました。
 

Disco Volante / Moonraker (Man With No Name Remix)
・個人的にMan With No Nameのリリースとして思い入れ深いのはこの Moonraker のリミックス。学生の頃好きで良く聴いていました。
 
 一般的に今、トランスというジャンルについて触れる際「サイケデリック・ゴア系」は別ジャンルという扱いで語られることが多く、ヨーロッパでのクラブミュージック文化として覚えてる方も多いと思います。

 しかし15年ほど前、Oakenfoldが大活躍したタイのバンガン島では、今あるユーロトランスとサイケデリック・ゴアトランスとはとても近しい関係にあったのです。

 今年リリースされた新曲「Full Moon Party」はリリースレーベルといい、まさにそんな時代へのオマージュ、Oakenfoldのトランスのルーツを垣間見ることが出来る一曲なのです。



一梨乃みなぎ

萌え系イラストレーター兼、ゆるレコードコレクター。
アニソンや電波ソングを横目にディープなクラブミュージック大好き。
主に90年代序盤あたりから4つ打ち系の踊れそうな音楽を追いかけるうちに部屋がCDとレコードまみれに。

好きなアーティストはSolarstone
同人サークル「ビテイコツハンター」所属
http://cocoon.selfish.be

@Minagi_Ichirino