第二回 動物愛護法の見直しの要望について

対談者:成田 司(Giraf Project)、山中(somode)
ガイド:ひろき(Giraf Project)、記:近藤(somode)



表題:動物取扱業適正化
基本要旨は3つ  業者と購入者の価値基準もおさえつつ
詳細内容(会議内容)
1. より多くの方の理解と衆知を求めて
現在小委員会の協議で動物愛護法の見直し、動物取扱業の適正化の話が中間取りまとめで決まろうとしています。また、議決前にパブリックコメント(世論)を集めて案を取りそろえようという動きが高まっており、私たちはペットに関しての知識の相互理解、パブリックコメントの増加を目的としています。パブリックコメントや署名の力は反映されやすい傾向にあり、決してムダにはなりません。
2. 動物愛護法主要課題について
今回小委員会に提出された内容は、色々な団体さんの意見を基に環境省が選定し作成されています。(資料は環境省のホームページに)その1部分として動物取扱業適正化があります。

3. 動物取扱業適正化
l・大きく分けて5つ:販売、保管、展示、訓練、貸出
上記に関係する業者の方々との細かい取決め
l・必要課題
① 虐待の防止…虐待の定義の曖昧で問題が多発中。
② 多頭飼育の適正化…沢山の動物を飼育をする人にが適正な飼育を守る事の法律化。例:東京都の政令では十頭以上の飼育は届け出が必要。(届け出に関し、後述あり。)
③ 自治体の収容施設=動物愛護センターの見直し
④ 特定動物の飼育…人に危害のある動物や環境を著しく損なう動物、ワシントン条約で輸出入着せのかかっている動物。例:外来種による日本本来の生態系の破壊→人間のモラルや生き物、環境に対する意識の浅さを見直す必要性へ繋がる。
⑤ 実験動物の福祉…人間が何かを作る際に犠牲になる動物。そのような動物を0にするのはいつ頃可能なのか(法的根拠があって安全性があるとして認めないこともある)、また動物たちの苦痛をどこまで減らせるか。例:代替療法で動物を使わずに効果を得られる実験をする。
⑥ 産業動物の福祉
⑦ 罰則の引き上げ…遺棄、虐待に対する法律の強化の必要
その他合わせ9つあります。

4. 販売時間の問題
① 深夜販売について…深夜販売のように一日中ペットを人の前にさらす事には問題があります。売られるのは幼齢動物ばかり(なぜかは後述)赤ん坊で生命力の弱い状態では適切に育つだろうか?また悪徳業者の生業にならないためにも変えるべきでしょう。
② 販売時間の数値化…具体的なペットの販売時間を決めることで命を守り成長の阻害を防ごうという意見が増えています。
③ 移動販売について…都心部より田舎に多い。田舎では催事場や仲介場で一日限りのペットショップが開かれます。トラックで移動し仮設のペットショップを立てる。ケージに入れっぱなし、販売方法、扱い方に問題が生じます。また売った後に連絡がつかないというクレームが起こっています。
④ インターネット販売…送られてきた子ペットは、見た目が違ったり、ぐったりしていたりといった販売・管理の改善の問題があります。やはり見て触れるなどの確認も大事になってきます。

※これら①~④は小委員会ではカテゴリーとしては同じと考えられています。ペット輸送時の販売員の配慮、購入側への説明義務を果たしているかが関わっているからです。
※反面業者側からすれば経済活動の自由、販売の財産権の自由という権利を奪う可能性もあり、権利を妨げない方法はないか考えて欲しいところではあります。

5. 届け出の効力
前回の動物愛護法改正までペット業者は届け出を提出しなかった。動物取扱責任者(=講習を受け、手帳を持っている責任者)が一人いなければペットショップ運営は禁止とされていた。
前回改正で届け出制が確立し、ペットショップ数の把握に繋がった。今回はさらに強化した方がよいのではという案があります。

6. 日本は遅れている?
規制はあるが、問題はたくさん生じているのは事実です。もちろん規制が行き届いたわけでもありません。ペットに関しては今まで福祉や愛護という考えが遅れているような気がします。百歩譲って商品と考えた場合もおかしいと思います。食べ物とかは衛生面を気にしているが、自分と直接関係なければ改善しようとしていないように感じます。

7. 犬猫の繁殖制限
繁殖に使う犬猫の年齢制限、産ませる時期、回数を数値で確定
犬:は早くて7,8か月で安全に出産できる。愛護法ではまだ数値が確定していない。飼育施設、犬猫を管理する施設には数値を決めるべき
虐待の可能性を認めさせるにも数値が必要。また管理の仕方にも明確な基準が必要です。

8. 業者の追加の検討
l・記憶に新しい動物埋葬業…火葬して埋めるべきものを山の中へ遺棄することへの規制が必要です。
l・観賞魚を扱う店に関しては今のところ違法の届けは無く,業として動物愛護法で」認めるべきではないか。
l・産業動物、あとは老犬ホーム、愛護団体も動物を扱っているがので愛護法で管理すべきか。動物園、水族館、または獣医さんなどのプロの方たちをペットショップ等で働いている人たちと同じレベルで判断してよいのか。

~随時更新中~

第一回 動物愛護法とは?

対談者:成田 司(Giraf Project)、長山えっちゃん(somode)
ガイド:山中(somode)、記:近藤(somode)



① 動物愛護法とは?
1.動物愛護及び管理に関する法律、いわゆるペットに関する法律。
5年に一度改正され、今年は改正年。
2.動物愛護法の対象動物は?
実験動物、牧畜、いうならば人間にかかわる動物全般。また所有者のいるいないに関係なく哺乳類鳥類爬虫類に属するものと牛、馬、豚、綿羊、山羊、犬、猫、家兎、家鳩が対象。
② 動物の価値観の変遷
戦後混乱期は外につないで飼う番犬のスタイルが主流であった。それは不景気ゆえのセキュリティの問題であり、犬の需要は増えていった。40年代頃にはスピッツという犬、所謂うるさい人の代名詞である。防犯としての価値観が強かった。そして現在愛玩動物の価値観へと移っている。このことから動物愛護法の必要が生じる。
③ 愛玩動物
現代の人とペットの関係を表す。例を挙げたい。成田さんの実話から、犬は全身で喜びを表現してくれる。人の子は幼い頃は可愛い、しかしある年になれば反抗期が来る。そして何年かすると何かしてくれる日が来る。しかし犬はそういう時期が死ぬまで続く。無償の愛であると感じる。ペットが甘えてくるときに遊べない。そんなときのさみしそうな顔は、もう少し自分に余裕を持たなきゃなあと自分を見つめなおす鏡になる。このように犬は人を精神的にも支えてくれている、人間にとっても大事な命である。
④ 動物愛護法はなぜ必要か?
1.虐待や苛めを無くすこと
動物にも私たち同様に命がある。人間不信になってしまった犬の心はなかなか取り戻せない。人間としての責任を感じる。現在の日本には明確な虐待の明確な規定がなく、隙間を縫ってくる業者は多い。
2.ペット業者による不適切な飼育、販売
現在法律には力を入れているが規制する活動に力を入れられない現状である。最近では、鹿島で悪徳ペット業者が20回の指導を受けたのにも拘らず、不適切な飼育をしながらペットを販売していたため漸く処分が下された。法律に対して規制は進んでいないのである。どうしても使わなきゃならない動物たちは修正ですとか節度とかを考えて生きる、それが人としての使命ではないか?
3.大量の殺処分が存在
殺処分数は年間犬猫合わせ40万頭近くである。ペットが容易に誰でも飼えるようになった時代である。そして沢山の人々が捨てている。
⑤ 殺処分はなぜこんなに起こっている?
動物愛護法の目玉である。必要以上の大量生産は需要を拡大するが、一部の業者がその仕組みをペット流通に使ってしまった。遺伝操作で流行を作が流行は変わりやすい。クレジットカードで簡単にペットが飼えるようになったこと。それら全てが →簡単にペット捨てる業者と購入者の増加につながったと考えられる。
そしてこの事態を抑える規制力が今の日本にはない。理由→動物愛護センターは厚生省の色が強く狂犬病の事があるため動物愛護法を盾に規制をかける仕事への予算を出してくれないからである。
⑥ 海外から取り入れた方が良い点
ドイツには虐待についての明確な定義の法律がある。しかしそれを日本にいきなり反映するのは難しい。理由:予算が合せられない、法律を作る予算は環境省、獣医さんへは農林水産省の予算に頼る状態。また規制については厚労省が出してくれない状態。また動物愛護法は自治体が行う。そういったところで海外の例を持ってくるのは難しい。本当はドイツの法を丸ごと持って行けたらベストなのだが。 
⑦ 最後に
1. 愚痴を言うより行動を!
専門家でなくとも団体として署名活動等できることがある。大阪の「ペット法塾」さんや「Free Pets」さんの署名内容を例示し視聴者にも自分でできることを考えて見て欲しい。また注意として、法律なので曖昧さ、情に流された理論にならないようにして欲しい。そして業界だけでなく世論として広まるべきであると視聴者へ熱い思いを伝えた。
2. ティアハイム建設について
動物保護施設を試験的に日本に作ろうとしている。ティアハイムはドイツの施設で日本みたいに殺処分はなく健康に生きる場所がある。
3. 次回予告
動物取扱業の改正案、虐待の定義など、生まれてどのくらいで売りに出していいのか、展示販売の時間(夜中に売っている現状)、インターネットでの販売はどうなのか?改正することの問題を考えていく。

参考
-署名-
ALIVE
http://www.alive-net.net/law/kaisei/syomei_201009.htm

THEペット法塾
http://www.the-petlaw.com/syomei_hp/syomei.html

フリーペッツ
http://freepets.jp/signature/index.html

環境省 審議会検討会の資料
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/council.html

サイボウズMAGAZINE





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署名 THEペット法塾