「NPO法人オンザロード」 ~世界の路上を舞台に~

Written by somode 5月 29th, 2012

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NPO法人オンザロード
~世界の路上を舞台に~

 

 

 

世界最大級の地震が日本を襲った、東日本大震災。

震災直後から、大勢の人が被災地にとび、復興支援活動を行ってきました。
さまざまなバックグラウンドを持つ人が、自分の持てる力を駆使した活動を行う姿に、感動を覚えた方も多いかと思います。

 

では、震災から1年と2ヵ月がたった今現在、現地ではどんな活動が行われているのか。

刻一刻と移り変わる被災地の状況を、ご存じでない方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな被災地の生活に密着した復興支援活動を行う「NPO法人オンザロード」をご紹介します。

https://otr.or.jp/

 

 

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、自由人、高橋歩さんが理事長を務める団体さんです。

今回は、オンザロード東京事務局の小海さんとロビンさんにお話をお伺いしてきました。

 

 

最初にですが、実は私自身、以前オンザロードさんの活動に参加させていただいたことがありまして…
震災直後、石巻のボランティアキャンプに飛び込み、オンザロードの方々と共同生活をしながら、汗を流してきました。

 

そんな経験もあるため、この団体さんの紹介は一度では語り尽くせません。
ですので、オンザロードさんに関しては全2回の記事にわけてお届けできればと思います。
① 現在の活動と、活動に対する思い
② オンザロード誕生秘話、貧困国の子供たちと世界をつなぐ学校

 

 

 

それでは第一部。

「オンザロードという文化」


突然ですが、このオンザロードの方々、半端じゃないんです。何が半端じゃないのかというと・・・
① 被災地の住民票取得者、急増中!現地の方々との密着度
② 活動の形は無限大!次々と生まれ続ける新しい活動

 

 

① 現地の方々との密着度
オンザロードの方々はとにかく地元の方々と仲が良い。

現地で生活をしながら中長期での復興支援活動を行うオンザロードの方々。住民の方々と遊びに行ったりお酒を酌み交わすのはもちろん、なんと、現地の方々に対する強い思いから、住民票を取得して現地に移り住んでしまう方が急増しているとのことです。「現地の住民」と「ボランティアの人」という言葉をきくとなんとなく壁を感じてしまいがちですが、オンザロードの方々は、もはや自分自身が住民になってしまっています。

そんな姿勢があるからこそ、現地のニーズを的確に把握でき、住民の方々の状況にマッチした活動を可能にしているとのこと。

実際に私が活動に参加した際にも、オンザロードの方々と現地の方々の距離感の近さには本当に驚かされました。

当時は瓦礫の撤去作業がメインでしたが、まるで自分が生まれ育った町のご近所さんのように愛称で呼びあい、何気ない世間話の中で状況をきいて、困っていることがあると即座に行動。誰かを思う力は凄まじく、日が暮れる頃には問題は解決して「よかったねぇ!」と笑い合っている、という毎日。

目の前の方々を笑顔にさせたい、という一心での行動は凄まじく、全身泥だらけになったオンザロードの方々が通った道は見違えるようにキレイになっていました。


 

② 次々と生まれる新しい活動
オンザロードの現地ニーズのつかみ度合はお話させていただきましたが、そこから生まれてくる活動の多様さも半端じゃありません。

ニーズを吸い上げた各チームのリーダーが毎晩話し合いを行うことで次々に新しい活動が生まれてくる。それと同時に、十人十色の多彩な強みを持った現場メンバーからもどんどんアイディアが生まれてくる。とのことで、組織全体から新しい活動が生まれてくる文化ができているようです。

実際にこれまで展開してきた活動も、名乗りをあげた人がどんどん人を巻き込み拡大させてきた、というものが多く、一例として、現在オンザロードが運営するオンライン商店「石巻元気商店街」も、元々は、たまたまボランティアに参加したヤフージャパン社員の方との繋がりから生まれてきたものとのことです。

小海さんが、オンザロードに根付いている「立場もバックグラウンドも関係なく自分にできることをやる、そして、やるなら妥協せずにやりぬく。するとたくさんの人たちが集まってきて、自然と活動の輪が広がっていく。」という考えを語ってくれました。あらためてオンザロードさんの活動の軌跡をみていると、その考え方が節々から感じられる気がします。

「人に向き合い、走り続けてきた足跡」


震災直後、津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市、女川町での活動を開始して以来、オンザロードさんの活動は大きな変化を遂げています。まずはその歴史から。

 

・震災直後の生活支援
津波の被害によって甚大な被害を受けた石巻市、女川町へいち早く先遣隊が現地入りしボランティアビレッジの開設を決定。常時100名以上のボランティアが共同生活を送りながら、がれき撤去や炊き出し等を行う。

・被災地での生活支援
長期にわたる避難所や仮設住宅での生活で気の休まることのない被災者の方々に対して、仮設風呂やヘアーカットなどの生活サポートや、フリーペーパーの発行、住民イベントの企画といった、コミュニティ形成の支援を行う。

・地元産業の復興支援
少しずつ街のライフラインが回復してくる中で、美容院や飲食店、旅館などの店舗の営業再開を支援(全75店舗)。また、石巻市の中心産業であり、津波で大打撃を受けた漁業の再生を支援。

・経済的な復興支援
被災地の経済的な復興を目指し、「石巻★元気トリップ」や「石巻元気商店」等の活動を行う。(詳細は後述)

 

 

 

「今、大切なことは何か」


このように、震災からの1年3カ月、被災地の状況に合わせた復興支援活動を展開してきた
オンザロードさんですが、それでは今現在はどういった活動を行っているのでしょうか?
大枠としては、「コミュニティの再生」「子供たちを主役にした復興」「着実な経済の復興」の三つを軸とした”長期的な視点”での”元気づくり”を行っていらっしゃいます。具体的には、下記のような活動になります。

 


・復興デパート「石巻元気商店」
被災地における雇用支援・収入確保の一助として、Yahoo! JAPANが中心となり、昨年12月に開設されたインターネット総合百貨店「復興デパートメント」。その中に、石巻周辺の特産品を販売する「石巻元気商店」というオンラインショップを立ち上げました。
もともと豊かな資源にあふれ、魅力的な商品が多いにも関わらず、それを発信する力がなかった店舗も多い東北。
インターネットを使って日本中に特産品を売ることは、販売者にとっての希望の光になり、消費者にとっては遠方からもできる復興支援だと思います。オンラインショップで被災地の隠れた宝を全国へ、そして地元主体の経済復興を目指した活動とのこと。
この石巻元気商店、実は私自身も利用させていただいたのですが、どれも本当に質が高くおすすめ。
頑張った一週間のご褒美に東北の美味を味わい、同時に復興地の方々の力にもなれるなんて、素敵じゃないですか?
先日は東京・丸の内でも物産展を開催、ものすごい人気で大好評だったとのことです。

https://otr.or.jp/project/genki-shouten.php



・復興体験バスツアー「石巻★元気トリップ」
「被災地のために何かをしたい」「現地に行きたいけどボランティアとして行くには敷居が高い」、そんな思いを抱える方に向けて、世界を元気にしようというコンセプトの元、あのH.I.Sさんとの協働でバスツアーを企画。
地元の人たちと一緒に食べて、飲んで、語って、お手伝いもして…いろんな人々と交流しながらみんなで元気になる、そんな楽しい旅づくりを行っていて、毎回、大満足とのコメントが多数よせられているとのことです。
私自身、震災直後に石巻にとび、被災地をこの目で見てきたのですが、現場でしか感じることのできない世界に触れて、人生観が変わるほどの体験ができました。
歴史上でも他に類を見ないほどの大災害。まだ現地に足を運んでいない方は今からでも自分の肌で感じてくる価値はあるのではないでしょうか?すでに被災地に足を運んだことがある方であれば、1年経って見違えるような復興を遂げている、現地の人々の活力を感じてくるのも有意義だと思います。
今ならなんと、高橋歩さんと一緒に旅ができるプログラムもあるとのこと、おもしろそうと感じた方は是非是非参加してみてください。

https://otr.or.jp/genki-trip/

 


・福島での街づくり支援、子供たちの生活支援
原発問題で現在も不安定な状況がつづく福島県。オンザロードの復興支援は福島でも繰り広げられています。
はっきりと目に見えた被害がみえづらいため、物理的な被害よりも現地の状況を感じづらい一面もあるのですが、「非難しようにもどこに行けばいいのか」「生活はしていけるのか」と、住民の不安は大きく、見えない恐怖に不安を覚えストレスを抱えている人が大勢いらっしゃるとのことです。
このような状況に対して、オンザロードでは現在、子供たちが思いきり遊べる環境づくりや、県内で生活を送る方々のための地域活性化支援を行っています。
大切なふるさとの福島を離れる事を余儀なくされた人たちを、また「おかえり」と迎え入れられるように・・・
環境・経済・仕事などの様々な理由で福島県にとどまっている方々が、やっぱり福島県に生まれてよかったと思えるように・・・
そして福島に暮らす子どもたちがのびのびと成長し、安心して暮らせるように・・・
具体的な活動としては、子どもたちを新潟や東京へ連れていってのイベント開催や、EXILEのUSAさんによるダンススクール、福島県内の人々をつなぐフリーペーパー、福島復興祭、などの活動を行っているとのことです。

 

 

 

現場のニーズを的確に理解しているからこそ、状況に合った活動が次々に生まれ、逆に合わなくなった活動は終了していく。
そして、オンザロードに漂う独特の空気が参加者一人ひとりの持てる力を最大限に引き出し、その結果、多彩な活動が次々に生まれてきている。

 

オンザロードに漂うエネルギッシュな空気をひしひしと感じられたインタビューでした。

 

 

ということで、NPO法人オンザロードさん、第一回は「現在の活動と、活動に対する思い」をお伝えしました。
次回は「オンザロード誕生秘話、貧困国の子供たちと世界をつなぐ学校」をお送りしますので、乞うご期待。

 

 

writer : 街道祐輝(Gentle Mickey)

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